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No.220新着 遠藤実 新潟の門付けから流しを経て、橋幸夫・舟木一夫・千昌夫らの曲を書き、没後に国民栄誉賞を受けた作曲家

遠藤実(1932〜2008)は、新潟での門付け、東京での流しを経て作曲家になり、日本コロムビア専属、自社レーベル「ミノルフォン」の経営を経験した。舟木一夫「高校三年生」、千昌夫「星影のワルツ」、渡哲也「くちなしの花」など、歌手ごとに曲を書き分けた。2009年1月に国民栄誉賞を授与されたとウィキペディアは書く。デビューの年や曲には資料の食い違いがあり、カラオケのキーなどは確かめられなかった。

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登録日時
2026年10月30日 17:44
出典を確かめた日
2026年10月30日
分野
歌手と作り手
立場
くらさんの考察
タグ
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歌手・曲
遠藤実、舟木一夫、高校三年生、千昌夫、星影のワルツ、渡哲也、くちなしの花
資料の種類
事典・概説
年代
1932〜2008年(作曲家デビューは1952年とされる)

本文と出典

あらまし

遠藤実(えんどう・みのる)は、1932年7月6日に生まれ、2008年12月6日に76歳で亡くなった作曲家である。ウィキペディアは、出身を東京府南葛飾郡吾嬬町(現・墨田区立花)とする。コトバンクは、辞典によって出生地が墨田区向島や吾嬬と分かれるとし、少年期は母の故郷の新潟で育ったと書く。
代表曲に、「からたち日記」(島倉千代子)、「高校三年生」(舟木一夫)、「星影のワルツ」「北国の春」(千昌夫)、「くちなしの花」(渡哲也)がある。「北国の春」と船村徹はすでに別の記事で扱っているため、この記事では経歴と、歌手との関わり方を中心に述べる。

主なできごと

・1932年7月6日 生まれる
・1943年3月 新潟県へ疎開する
・1948年 山乃家菊丸とコンビを組み、新潟で門付け芸人になる
・1949年7月 17歳で上京し、ギターを持って流しの演歌師になる
・1952年 星幸男の名義で作曲した「酒場の女」が、「破れソフトのギター流し」の題で藤島桓夫の歌で出る。作曲家デビューとされる
・1957年 「お月さん今晩わ」がヒットする
・1958年 島倉千代子「からたち日記」が大ヒットし、のち日本コロムビア専属となる
・1963年6月5日 舟木一夫のデビュー曲「高校三年生」発売
・1965年 日本コロムビアとの契約を解消し、太平音響の設立に加わる。同年9月5日、千昌夫のデビュー曲「君が好き」を作曲
・1966年3月24日 千昌夫「星影のワルツ」発売
・1968年 太平音響の社長となり、社名をミノルフォンに改める
・1973年8月21日 渡哲也「くちなしの花」発売
・1977年4月5日 千昌夫「北国の春」発売
・2002年 勲三等旭日中綬章。2003年に文化功労者
・2008年12月6日 死去。同月に正四位と旭日重光章が決まる
・2009年1月23日 国民栄誉賞を授与される(ウィキペディアによる)

くわしく:門付けと流し

ウィキペディアによれば、遠藤は高等小学校を出て14歳で紡績工場の工員になったあと、1948年に新潟で門付け芸人になった。門付けとは、家々の戸口に立って芸を見せ、金や品をもらう芸である。同じ記事は、この経験が後の作曲人生に大きな影響を与えたと書く。
1949年に上京し、さまざまな職を経て、ギターを持って酒場を回る流しの演歌師になった。コトバンクは、流しをしながら独学で作曲を学んだと書く。
デビューの時期は資料で食い違う。ウィキペディアは、1952年の「酒場の女」を作曲家デビューとする。友人に曲を渡したところ、そのまま友人の作曲として発表されてしまい、のちに「星幸男」の名義に直されたという。一方、コトバンクは、1957年に藤島桓夫が歌った「お月さん今晩は」でデビューしたと書く。どちらを「デビュー」と数えるかの違いと考えられるが、確かめてはいない。

くわしく:曲を書き分ける

「高校三年生」は、1963年6月5日に出た舟木一夫のデビュー曲である。ウィキペディアによれば、作詞は丘灯至夫で、もとは岡本敦郎のために作られながら、歌手に合わないという意見でお蔵入りになっていた曲だった。当初はワルツ風だった旋律を、遠藤がマーチ風に作り直した。舟木は2013年の番組で、その作り直しにかかった時間は15分だったと語っている。累計売上は230万枚とされ、同年の第5回日本レコード大賞で舟木は新人賞、丘は作詞賞を受けた。同記事は、遠藤が貧しさから高校に進学できず、学園生活にあこがれていたことが曲に込められているとも書く。
「星影のワルツ」は、1966年3月24日に出た千昌夫の曲で、作詞は白鳥園枝である。発売当初は売れ行きが低調だったが、千が気に入って歌い続け、有線放送に働きかけてヒットにつなげたとされる。1968年3月に編曲を変えて再発売され、オリコン週間で6月3日付に1位となり、同年の年間1位でもあった。累計売上は250万枚とされる。千は高校在学中に遠藤に弟子入りし、1965年に「君が好き」でデビューした。
「くちなしの花」は、1973年8月21日に出た渡哲也の曲で、作詞は水木かおるである。ウィキペディアによれば、遠藤は歌手としては新人に近い渡が歌いやすいよう、曲を簡素にし、音域を広げすぎないようにしたとされる。当初の売れ行きは振るわなかったが、有線放送などで広まり、1974年にオリコン週間で最高4位、約90万枚を売った。渡の最大のヒットで、同年の第25回紅白に初出場して歌っている。日刊ゲンダイDIGITALのコラム(2025年)は、遠藤が流しのギター歌手をしながら作曲を続け、「ピアノに指一本でメロディーを奏でる」ことを信念としていたと伝え、この曲を、コードは単純でも何度聴いても飽きないと評している。

くわしく:レコード会社の経営と弟子たち

ウィキペディアによれば、遠藤は1965年に中山幸市の出資で太平音響の設立に加わり、専務取締役となった。1968年に中山が亡くなると2代目社長に就き、社名をレーベル名のミノルフォンに改めた。1970年5月に社長を退き、同社は1972年に徳間康快に買収された。
門下として同記事が挙げるのは、橋幸夫、こまどり姉妹、舟木一夫、千昌夫、小林旭、森昌子、渡哲也、杉良太郎らである。橋幸夫は当初遠藤の門下だったが、遠藤に連れられてビクターのオーディションを受け、吉田正のもとへ移ったという。

カラオケで歌うなら

公式のカラオケ資料(DAM・JOYSOUND)は今回開いていない。原曲キー、難易度、歌われ方の順位は確かめられなかった。曲ごとに歌手も時代も違うため、歌いたい曲の曲番号を機器で検索して、キーを見て選ぶのが確実である。

評価の分かれる点

作曲家デビューの年は、前記のとおり1952年説と1957年説がある。「星影のワルツ」のヒットの年も、千昌夫の項目は1967年ごろとし、この曲の項目は1968年に1位になったと書く。オリコンの週間ランキングは1968年に始まったとされ、その前の数字は資料の種類で違う可能性がある。
作曲数も資料で違う。ウィキペディアは「5000曲以上と言われている」と書くが、出典は示されていない。この記事では、数字を断定しない。

くらさんの考察

以下は資料にもとづくくらさんの推測である。
遠藤の特徴は、歌手ごとに曲の形を変えた点にあると考えられる。デビューの少年に向けた「高校三年生」はマーチ風、新人の俳優に向けた「くちなしの花」は音域を絞った簡素な曲と、書き分けの理由が資料から読み取れる。流しは客の前で歌い手の声を聴きながら曲を選ぶ仕事なので、その経験が歌い手本位の作り方につながったとも考えられるが、これは資料にある説ではない。
もう一つは、売れなかった曲を歌い手とともに広めた点である。「星影のワルツ」は、千の働きかけで再発売まで続いた。作り手が書いて終わりにせず、歌手や会社と一緒に曲を育てたことが、長く歌われる曲を生んだと考えられる。

ジージへの問いかけ

・「高校三年生」「星影のワルツ」「くちなしの花」が同じ作曲家の曲だと、知っていましたか。
・流しの歌い手が作曲家になる流れは、今の歌の作り手と比べてどこが違うと思いますか。
・遠藤実の曲で、カラオケでいちばん歌い慣れているのはどれでしょうか。

出典

・ウィキペディア「遠藤実」 https://ja.wikipedia.org/wiki/遠藤実
・コトバンク「遠藤実」 https://kotobank.jp/word/遠藤実-1634726
・ウィキペディア「高校三年生 (舟木一夫の曲)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/高校三年生_(舟木一夫の曲)
・ウィキペディア「星影のワルツ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/星影のワルツ
・ウィキペディア「くちなしの花」 https://ja.wikipedia.org/wiki/くちなしの花
・ウィキペディア「千昌夫」 https://ja.wikipedia.org/wiki/千昌夫
・ウィキペディア「北国の春」 https://ja.wikipedia.org/wiki/北国の春
・日刊ゲンダイDIGITAL「ラ・ラ・ラプソディー in 昭和」(2025年10月1日) https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/378311

動画

・舟木一夫 / 高校三年生 [ライブ映像](舟木一夫 公式YouTubeチャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=1ItsdrmYUV0

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この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが音楽QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。