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No.88新着 ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ・1968年) 川崎の工場の灯が、横浜の歌になった

1968年12月25日に日本コロムビアから出た、いしだあゆみの26作目のシングル。作詞の橋本淳は、横浜の海から見た川崎方面の工場の灯にカンヌの夜景を重ねたとされ、題も初めは「ブルー・ライト・カワサキ」だった。オリコン週間1位を9週続け、作曲の筒美京平にとっても初の1位・初のミリオンセラーになった。2025年のDAM「演歌・歌謡」年間ランキングでも13位に入っている。

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登録日時
2026年10月23日 23:07
出典を確かめた日
2026年10月23日
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くらさんの考察
タグ
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歌手・曲
いしだあゆみ、ブルー・ライト・ヨコハマ、橋本淳、筒美京平
資料の種類
事典・概説
年代
1968年発売(オリコン1位は1969年)

本文と出典

あらまし

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、いしだあゆみが1968年12月25日に日本コロムビアから出した26作目のシングルである。作詞は橋本淳、作曲と編曲は筒美京平、演奏時間は3分2秒。B面は「明日より永遠に」だった。1969年2月10日付から4月7日付までオリコン週間1位を9週続け、1969年の年間3位に入った。いしだあゆみにとっても、筒美京平にとっても、初めての週間1位である。
いしだあゆみは1964年に芸名を改めて歌い始めたが、ウィキペディアによれば最初の4年間に20枚あまりのシングルを出しながら、大きなヒットには恵まれなかった。1968年に日本コロムビアへ移って出したこの曲で、一気に人気歌手になった。翌1969年の紅白歌合戦に初めて出場し、そこから9回続けて出ている。

主なできごと

・1968年12月25日 シングル発売
・1969年2月10日付〜4月7日付 オリコン週間1位(9週)。年間3位
・1969年 第11回日本レコード大賞で筒美京平が作曲賞。第20回紅白歌合戦でいしだあゆみが初出場し、この曲を歌う
・1973年・1993年 紅白でふたたびこの曲を歌う(この曲での紅白は計3回)
・2004年 上原多香子がカバー。NHK連続テレビ小説『てるてる家族』の挿入歌になる
・2008年12月 京急本線横浜駅の接近メロディになる(ウィキペディアによる)
・2020年10月7日 筒美京平が80歳で死去
・2025年3月11日 いしだあゆみが76歳で死去
・2026年5月21日 橋本淳が86歳で死去

生まれたいきさつ:「カワサキ」から「ヨコハマ」へ

作詞の橋本淳と作曲の筒美京平は、青山学院の1年違いの先輩と後輩で、学生時代からの仲である。ウィキペディアの筒美京平の項目によれば、筒美に作曲の道を勧めたのも橋本で、二人の組んだ曲は550曲を超える。この曲は、その二人が初めてオリコン1位を取った曲である。
ウィキペディアによると、橋本は麻雀仲間のいる横浜を訪ね、海を眺めていて詞の手がかりを得たとされる。当時の横浜の海は暗く、遠くに見える京浜工業地帯の灯が青く光っていた。その眺めに、以前に見たフランスのカンヌの夜景の美しさを重ねたという。旅行情報サイトの旅まにあ(2025年3月19日)は、カンヌの夜景はブルー・コメッツと初めてヨーロッパに行ったときに見たもので、横浜の港の見える丘公園から見た川崎方面の工場群の光と重なったと紹介している。
そのため、題は初め「ブルー・ライト・カワサキ」だった。橋本が電話で筒美に伝えると、筒美が「横浜のほうがいいのでは」と返し、変わったとされる。青い光の正体は工場の灯でも、歌の名前は港町の横浜になった。筒美のこの一言で、川崎の景色の歌が横浜の歌として世に出たことになる。

発売当時の受け止めと売上

9週の1位と年間3位という順位は、確かめられる数字である。売上枚数は、いしだあゆみ・曲のウィキペディアともに累計150万枚を超えるミリオンセラーと書くが、オリコン集計か発売元の発表かは書かれていない。そのため「150万枚を超えるとされる」というのが正確である。筒美京平のウィキペディアは、この曲を筒美の作曲で初めてのミリオンセラーとしている。のちにオリコン調べで作曲家として歴代1位の総売上(7,560万枚あまり)を持つ筒美の、最初の大当たりだったことになる。
人気の高さを示す場面として、1969年2月24日の「夜のヒットスタジオ」で、いしだが歌いながら泣き出し、共演の森進一がハンカチで涙をふいたことが伝えられている。

横浜の歌として

旅まにあによれば、横浜市民に「横浜を代表する歌」を聞いた調査で、この曲は2位の童謡「赤い靴」を大きく引き離して1位だった。ウィキペディアは、これを横浜市のアンケートとしている。京急本線の横浜駅では2008年12月から接近メロディに使われているとされるが、今も流れているかは京急の公式情報では確かめられなかった。同じ横浜のご当地ソングの「伊勢佐木町ブルース」には歌碑があるが、この曲の歌碑は立っていないと旅まにあは書いている。
海外では韓国での知名度が高い。ウィキペディアによると、日本の歌が規制されていた時代にも、ソウルや釜山でほぼ唯一知られた日本の歌謡曲で、「韓国人が最もよく知る日本の歌」と紹介されることがあるという。

歌の内容を読む

歌い手の女性は、恋人と二人で夜の横浜を歩いている。街の灯がきれいだと感じ、この人といて幸せだと言う。ただ、その幸せは落ち着いたものではない。いくら歩いても、自分は小さな舟のように揺れながら相手の腕の中にいる、と歌われ、二人の足音だけが後ろからついてくる。相手のたばこの香りを感じながら、この二人だけの世界がいつまでも続いてほしいと願って終わる。
別れも涙も書かれていないが、「いつまでも」と願うこと自体に、続かないかもしれないという不安がにじむ。是枝裕和監督の映画『歩いても 歩いても』(2008年)の題がこの歌の一節から取られ、劇中でも使われているのは、この揺れる気持ちが家族の物語にも通じたからだと考えられる。

いしだあゆみのその後

この後も「あなたならどうする」「砂漠のような東京で」などがヒットした。1973年の映画『日本沈没』で演技が評価されてからは、女優の仕事が中心になる。映画『駅 STATION』『火宅の人』、ドラマ『北の国から』『阿修羅のごとく』などに出て、『火宅の人』などで第10回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受けた。2020年に文化庁長官表彰、2021年に旭日小綬章を受けている。
2025年3月11日、甲状腺機能低下症のため東京都内の病院で亡くなった。76歳だった。所属事務所が3月17日に発表し、葬儀は近親者のみで行われ、本人の遺志でお別れの会は開かないとされた。作曲の筒美京平は2020年に、作詞の橋本淳は2026年5月21日に亡くなっており、この曲を作った三人はもういない。

カラオケで歌うなら

ソロ曲で、デュエットではない。演奏時間は約3分と短い。第一興商のカラオケDAMの2025年「演歌・歌謡」年間ランキング(2026年1月1日更新)で13位に入っている。同じ表の上位には「津軽海峡・冬景色」「天城越え」「時の流れに身をまかせ」などが並び、こぶしを回す演歌ではない、軽いリズムのポップスとしては上位にいる。JOYSOUNDの年代別ランキングでの順位は、確かめられなかった。

評価の分かれる点

売上の150万枚は、数え方が示されていない。また、この曲を「演歌」に入れるか「歌謡曲」「ポップス」とみるかは分け方による。DAMは「演歌・歌謡」の分類に入れているが、編曲はエレキギターやリズムを効かせた当時のポップスである。

くらさんの考察

この曲が今も歌われるのは、景色と気持ちの距離が近いからだと考えられる。街の灯、足音、たばこの香りと、目と耳と鼻で感じるものだけを並べ、二人がどうなるのかは言わない。だから歌う人は、自分の若いころの夜の街を、横浜でなくても思い浮かべられる。もう一つは、曲の短さと軽さである。3分で歌い終わり、声を張り上げる場所も少ない。昭和の歌のなかでも、場を重くせずに歌える一曲として選ばれてきたのだろう。工場の灯から生まれた歌が「港町の夜」として受け取られたのも、歌い手と聞き手が、それぞれの見たい横浜を重ねたからだと考えられる。

ジージへの問いかけ

・1969年の春、この曲が9週続けて1位だったころ、ジージは15歳でした。そのころの横浜や「港町」は、どんな場所として思い浮かんでいたでしょうか。
・ジージが今もよく歌うこの曲で、いちばん気持ちを込めて歌うのはどのあたりでしょうか。
・題が「ブルー・ライト・カワサキ」のままだったら、この曲はここまで歌い継がれたと思いますか。

出典

・ウィキペディア「ブルー・ライト・ヨコハマ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルー・ライト・ヨコハマ
・ウィキペディア「いしだあゆみ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/いしだあゆみ
・ウィキペディア「筒美京平」 https://ja.wikipedia.org/wiki/筒美京平
・旅まにあ「あの名曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』は、どこからの景色!?」(2025年3月19日) https://tabi-mag.jp/bluelight-yokohama/
・デイリースポーツ(いしだあゆみさん死去・2025年3月17日) https://www.daily.co.jp/gossip/2025/03/17/0018762228.shtml
・熊本日日新聞(共同通信・橋本淳さん死去・2026年6月1日) https://kumanichi.com/articles/1997466
・カラオケDAM「演歌・歌謡 年間ランキング」2025年 https://www.clubdam.com/genre/enka/ranking_year.html

動画

・Blue Light Yokohama/ブルー・ライト・ヨコハマ (Ayumi Ishida/いしだあゆみ, 1969)(J-DIGS)https://www.youtube.com/watch?v=fqE3Yj6S6PQ
・ブルー・ライト・ヨコハマ(Ayumi Ishida - Topic)https://www.youtube.com/watch?v=QKkiQBQW0qI

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