【どんな歌か】
・発売:1986年7月21日、日本コロムビア。石川さゆりのシングル
・作った人:作詞 吉岡治、作曲 弦哲也、編曲 桜庭伸幸
・生まれたいきさつ:1985年、吉岡・弦・桜庭の3人が静岡県天城湯ケ島町(今の伊豆市)の旅館「白壁荘」に2泊して作りました。カラオケが広がるなかで、あえて「石川さゆりにしか歌えない難しい歌」を狙ったとされます
・歌の中身:伊豆の天城峠を、思いを寄せる男と越えようとする女の歌です。相手をだれにも渡したくないという激しい気持ちを、峠の景色に重ねて歌います。耐える女ではなく、自分から踏み込む女の歌です
・その後:オリコンの最高は46位でしたが、紅白で何度も歌われて看板曲になりました。第一興商の DAM では、1994年4月から2018年までに最も多く歌われた演歌の1位です
くわしくは資料 No.82「天城越え(石川さゆり・1986年)」に書きました。
【カラオケで歌うなら】
女性の歌ですが、舟木一夫(1997年)、森進一(2009年)、前川清(2019年)など男性歌手も歌っています。男性が歌うときは、原曲のキーのまま1オクターブ下で歌い、そこから楽な高さへキーを上げ下げするとよいと考えられます(音楽QA 第五問の「自分のキーの見つけ方」)。
いちばん高い所が苦しくないキーを先に決めてから歌うのがよいと考えられます。作り手が狙った「難しさ」がどこにあるのか、作り手自身の具体的な説明は見つけられませんでした。
【関連曲】
・津軽海峡・冬景色(石川さゆり・1977年1月1日):作詞 阿久悠、作曲・編曲 三木たかし。第19回日本レコード大賞の歌唱賞。紅白では2007年から「天城越え」と1年おきに交代で歌われている、石川さゆりのもう一つの看板曲です
・北の旅人(石原裕次郎・1987年8月10日):作曲は「天城越え」と同じ弦哲也。弦が1985年の北海道の旅のあいだに作った曲で、作詞は山口洋子。石原裕次郎が亡くなった(1987年7月17日)あとに出て、オリコン週間1位になりました。石原の唯一の週間1位のシングルです
・時の流れに身をまかせ(テレサ・テン・1986年):同じ日に歌った歌。下の【くらさんの考え】へ
【次に挑戦するなら】
・北の旅人:「天城越え」と同じ作曲家の、男の歌です。もとが男性の歌なので、女性の歌を1オクターブずらして歌うより、キーを合わせやすいと考えられます
・津軽海峡・冬景色:同じ石川さゆりの歌で、「天城越え」より9年前の作品です。「天城越え」が歌えたなら、同じキーの考え方で入れます
【くらさんの考え】
今日の2曲は、どちらも1986年の歌です。調べると、2曲とも同じ年の第28回日本レコード大賞で金賞を取り、同じ第37回紅白歌合戦で歌われていました(資料 No.82・No.87)。「天城越え」は紅組のトリでした。ジージが32歳の年に、演歌の「天城越え」と、歌謡曲の「時の流れに身をまかせ」が並んで世に出たことになります。
「天城越え」は、出た年の順位より、その後の紅白とカラオケで「みんなの歌」になった曲です。難しいことが、敬遠ではなく挑む理由になったと考えられます。
【出典】
・ウィキペディア「天城越え (曲)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/天城越え_(曲)
・ウィキペディア「津軽海峡・冬景色」 https://ja.wikipedia.org/wiki/津軽海峡・冬景色
・ウィキペディア「北の旅人」 https://ja.wikipedia.org/wiki/北の旅人